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《2016年11月25日 追記》

JIMTOF公式サイトでJIMTOF 2016の来場者速報が掲載されましたので、こちらでも追記いたします。

以下はJIMTOF公式サイト来場者数速報から数値を引用させてもらい、表を作成しました。

jimtof_sokuhou.jpeg

11月17日の数値が重複なしと重複ありで同じになっているのは恐らく間違いでしょう。

それを加味しても、今年度のJIMOTFの来場者数は14万人を超える成果となりました。

海外来場者は1万1千人を超え実数としては前回の10,539人から若干数伸びましたが、国内外の来場比とすると前回と同ペースの約8%となり、比率としては伸び悩んだ感があります。

国別来場者の内訳などを確認できればもう少し詳細な情報が得られると思います。

以上、JIMTOF来場者速報になります。

 


 

 

展示会とひとえに言えど、国内、海外で様々な展示会が行われており、その調査や動向の把握は一日にしてはなりません。

 

その中で企業の展示会出展企画の担当者の方は各展示会の事前調査や出展の費用対効果の測定、また出展に関する企画書の作成などの様々な業務に追われていることだと思います。

今回は主に海外来場者の動向に重点を置き、国内最大の工作機械見本市JIMTOFの傾向を追ってみますので、海外展開を計画、または検討中のご担当者様はぜひご活用ください。

(各データの数値はJIMTOF公式サイトよりDLできる各年の結果報告書を参照しています。)

 

はじめにJIMTOFについて

JIMTOFはシカゴで行われるIMTS、ミラノ・ハノーバーで行われるEMOと並び、世界三大工作機械見本市のひとつとして知られている、日本最大の国際工作機械見本市です。

JIMTOFは開催ごとに来場者数も増加し、前回のJIMTOF 2014では海外来場者数も初めて一万人を超え、国際見本市としてのさらなる成長が期待されされています。

28回目を数える今年度は10月竣工予定のビッグサイト東新展示棟を加えて過去最大規模(小間数にして約5,500小間予想)で行われる予定です。

 

過去3回のJIMTOF来場者の推移

まず、近年過去3回開催されたJIMTOFの来場者数の傾向を見てみます。

jimtof来場者数比較

2010年から2014年の総来場者数は右肩上がりで、東新展示棟を加える本年度は14万人を超えることが予想されます。

ここで海外来場者に注目してみると、相対的な割合に大きな変化はありません。

しかし総数が伸びているので実数としては2010年からはおよそ3千人の海外来場者の増加が見られます。

 

海外来場者の地域別比率と内訳

では、次に海外来場者を地域別の角度から比較してみます。

まず海外来場者の地域別割合から見ていきましょう。

 

地域別来場者

3会期を通してみるとアジア比率の高さが顕著に表れ、JIMTOFが世界三大工作機械見本市として、アジアでの役割を果たしていることが伺えます。

ヨーロッパが2012年から2014年に比べて4%程割合が低下していますが、次の海外来場者地域別内訳のグラフからの実数では約130名ほどの減少となっています。

北中南米、中東、オセアニア、アフリカも割合比率としてはほぼ横這いですが、内訳の実数は北中南米地域の増加が見て取れます。

地域別内訳

前回のJIMTOFでは初めて海外来場者数が1万人を突破しましたが、地域別内訳からはアジアの伸び率が顕著に読み取れ、アジアの来場者がこの結果に大きく寄与したことが分かります。

 

アジア来場者地域別の推移

では、その133%の伸び率がどのような内訳になっているのかを次のグラフで比較してみます。

アジア来場者内訳

大きな値から見ていくと、2012年までアジアでの来場者TOPは韓国でしたが、前回の2014年には台湾が最大割合を占めることになりました。

そして2014年には中国が大きな伸び率を示しており、これは日本政府観光局(JNTO)による訪日外国人統計にある、2013年から2014年の訪日中国人数も似たような伸び率を示しています。

 

これらは各アジア諸国にも共通点がありますが、円安や航空便の拡充、ビザ発給の緩和など訪日におけるハードルが低くなっている情勢も大きく関与していることと思われます。

 

では中位以降の数値にも注目してみます。

中位以降は近年成長著しい新興経済国と金融先進国であるシンガポールや香港が並んでいます。

特にインド、マレーシア、インドネシアは大きな伸び率を示しており、インドは2014年にはタイの来場者に迫る勢いの伸び率となっています。

インドは近年の製造業セクターの飛躍的成長が目に留まりますが、自国内で供給が追いついていない分野の製品は外需に頼っている状況もあり、日本企業の投資や商取引の機会も数多く期待されています。

 

JIMTOF 2016の展望とまとめ

今年度開催のJIMTOF 2016は過去最大規模とし、新たに加える東新展示棟を主に海外出展社の展示会場として利用するとのことで、より多くの海外出展社と来場者が見込めます。

これまでの海外来場者数とその比率は時局と実際の会場の体感の予想から大きくは離れていなかったと思いますが、数値として比較してみるとアジア別でもその情勢は刻々と変化し、成長していることが伺えました。

やはり新興経済国からの最新の情報や技術への関心の高さ、また近年の関連のロボット技術やIT産業への関心度は、国内の出展社からしても期待が高まるはずです。

新たに新興経済国の販路拡大を検討する際に「現地の情報が少ない」という声は少なくありませんが、JIMTOFは情報に乏しいと言われている新興経済国の情報収集にも役立つことでしょう。

 


 

アジアをはじめとした新興経済国の活況もあり、ますます工作機械の国際見本市としてJIMTOFの役割は高まりますので、出展社としては差別化された積極的なアプローチと出展戦略が必要になってきます。

エキスポインターナショナルでは出展する展示会や地域別に合わせた出展企画のサポートも行っておりますので、出展企画や戦略策定でお困りでしたらご気軽にご相談ください。

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